< 牛革> あらゆる皮革の中で、もっとも用途の多いのは牛革です。原皮には、産地、性別、年令によって品質にかなりの差があります。 1.カーフ: 生後約6ヶ月以内のもので牛皮のトップクラスです。小判薄手で、キメのこまかいのが特長です。 2.キップ: 生後半年以後から1年余までのもので、カーフより厚手になり、強さも増します。 3.カウ: 生後2年以上のメスの成牛の皮。ステア、ブルほどの厚みはありません。 4.ステア: 生後3~6ヶ月以内に去勢したオスで、生後2年以上を経たものの皮。厚みが比較的平均しています。 5.ブル: 生後3年以上のオスの成牛の皮。厚手になり、繊維の粗いのが目立ちます。 6.地生: 国産の牛。海外のものよりも、銀面に傷がなく、きれいです。 < 山羊皮> 衣服手袋などに用いられます。特に子山羊の革はキッドと呼ばれ、高級靴、高級婦人手袋に多く用いられます。 < 羊革> 薄く、やわらかで、主に衣類、手袋に用いられるほか、書籍の装丁にも使用されます。中でもインド産羊皮は、その優秀性が世界的に認められています。 < カンガルー> カーフより上等、しかも丈夫でしなやかです。のびて変形しないため、ごく高級な靴、スパイクシューズに使用されます。 < ピッグスキン>( 豚革) 牛革についで使用範囲が広く、カバン、袋物、ベルトをはじめ、靴の甲裏革や敷革に用いられます。 <馬革> 馬革の尻の部分は組織が緻密で光沢の美しい革ができるので、特にコードバンと称して珍重され、靴、ベルト、時計バンドなどに使用されます。その他の部位は、靴の裏革などが主な用途です。 <鹿革> 鹿の皮を動植物油でなめした革は、やわらかくしなやかでセーム皮と称しています。航空機用ガソリンこし、ガラスふき、高級手袋、帽子、衣服などが主な用途です。 < オーストリッチ> ダチョウの皮、羽を抜いたあとが丸く突起し、皮の表面におもしろい模様があるため、珍重されます。数が少なく、高級な袋物、ベルト、靴、草履に使われます。 <爬虫類> ワニ、トカゲ、ヘビの3種が主なもの。いずれも革の模様が珍重されます。高級袋物、ベルト、時計バンド、靴、草履がその用途です。
<銀付革> 天然の革の銀面を活かしたもので、カゼイン及びラッカー仕上げされるものが多く、美しい銀面と優れた耐久性、快適な使用感を備えています。 <ガラス張り革> 主として成牛皮を使い、なめした革を平滑なガラス板(あるいはホーロー鉄板)に張りつけて乾燥し、銀面を平らにしサンドペーパーで軽くこすって表面を塗料で仕上げたものです。堅牢で手入れが簡単です。 <スエード革> ベルベットのような外観を与えるために、バフまたは毛羽立て機で肉面の繊維が非常に短く仕立てられた革。 <バックスキン> 本来は大鹿革の銀面をバフして、スエードのように仕上げられた革のことです。 <ヌバック> 銀面をスエードより軽くバフして仕上げられた革のことです。 <床革> 銀面または肉面に平行に2つに分割されたもので、銀面層以外のものを床革といいます。 ケバをバフしスエード調に仕上げたもの、型押ししたものなどがあります。 また、やや毛足の長いものをベロア革と称しています。 <シュリンクレザー> 縮革とも称します。なめしの工程中に、薬品を用いて革を縮めたもので表面にシワを生ずるので、変わった趣があります。 <エルク> 本来は大鹿の革ですが、現在では、クロームなめしの牛革をやわらかくもんだものをエルクと呼んでいます。 <型押革> 革の表面に加熱高圧プレスで型をつけたものです。自動車の内装に使われる革のほとんどがこの型押革です。
<素上げ調仕上げ> ほとんど仕上げ剤を使用せず、フェルトバフなどでツヤを出しています。 <アニリン調仕上げ> 銀面のパターンが見透かせれような透明感のある仕上げをいい、少し顔料を配合したセミアニリン仕上げ革も含まれます。 <顔料仕上げ> 顔料などを使用して(塗装)仕上げられた革のことです。 自動車の内装に使われる革のほとんどがこの顔料仕上げです。 <グレージング仕上げ> メノー、ガラス玉などのローラーによって銀面を重圧した革は光沢があります。 < アンチック仕上げ> むら模様などをつけた仕上げの革で、この種に類する革として、ツートン仕上げなどがあります。 <エナメル仕上げ> パテント仕上げともいわれ、ウレタン樹脂コートで仕上げられた革のことです。 <メタリック仕上げ> メタリック調に仕上げられた革のことです。 |